Category Archives: レッスンの一コマ

価値とニーズ

4月2日(月)から新年度のレッスンが始まり、二週間が経とうとしています。

レッスンでは、11月3日(土祝)の発表会に向け、幼児と小学生の生徒さんたちの選曲が、先週から本格的に始まりました。

中学生以上の生徒さんたちについては、昨年末から3月までにモーツァルト、ショパン、ドビュッシー、ラヴェル等の曲が決定し練習も始まっています。

今回、選曲に当たって、選曲についての考え方を深め、より柔軟な対応の必要性に何人かの生徒さんと保護者の方に気づかせて頂きました。

私は、選曲に当たって、生徒さんの実力と発表会までの期間での達成度。そして生徒さんの音楽性や趣味の傾向などを考慮して、個性が輝く選曲。その曲を弾くことによって、身に付けてもらいたい奏法やテクニックを盛り込んだ選曲を心掛けています。
そして、一人ひとりの生徒さんにソロ、連弾共に3曲程の候補を用意し、実際に弾いて聴かせ選んでもらっています。

ただ、ここに落とし穴がありました。当然のことですが、指導者と生徒さんの「価値とニーズ」には相違点があるという事!!

選曲作業を通し、生徒さんの中には、「和音の多さや曲の長さ、またレッスンで習ったペダルを一回は踏みたい!」「スッカートが沢山あって、リズムが楽しい曲が弾きたいの!」「明るいのと暗いのがある曲が良い!」「オレは、ベートヴェンが好きなんだよね!」等と、生徒さん自身の価値観やニーズを伝えてくれたのです!

これは私にとって衝撃であり、気付きと驚きにあふれた言葉の数々でした。

そして、今週はそれぞれの生徒さんの「価値とニーズ」踏まえて、改めて選曲に当たっています。

ある生徒さんには、その子の「価値とニーズ」を考慮し、追加でソロ4曲を選び、レッスン時に私が弾き、聴いてもらいました。
私の横で聴いている生徒さんの表情が曲によって様々に変わることが普段以上に印象的でした。

今後は、これまで以上に生徒さんの「価値とニーズ」を把握するためにしっかりと声を聞き、選曲やレッスンを行ってまいります。

沢山の気付きを与えてれた生徒さんと保護者の方に、改めて感謝申し上げます。

尚、選曲につきましては、事前のリクエストや生徒さん自身のが決めた曲にも応じています。
中学生以上の生徒さんは、ほとんどの生徒さんが自分自身で曲を決めています!

伊藤ピアノレッスンスタジオのピアノ発表会は任意参加です。今年は、本日現在で40名の生徒さんが参加予定です!

えっ、ふりかけ!?

年長さんのKちゃん(女の子)のレッスンでの一コマ。

レッスンがひと段落して、レッスンノートに宿題の内容を書きながら、幼稚園の給食やお弁当についてKちゃんに聞いてみました。この日はお弁当だったらしく、その旨を答えてくれました。

私「お弁当には好きなものが入ってた??」

Kちゃんは照れくさそうに「うん!」

私「好きな何が入っていたの?」

Kちゃん、「ふりかけ!!」とにっこり♪

レッスンに付き添われていたお母さまにとっては意外な答えだったらしく。「えっ!?」と一言。苦笑されていました。

(私も、答えは卵焼きや、からあげなどだろうと思い込んでおりました・・・。)

いやー、その子のことを「知ったつもりになっていてはいけないなー」思い込みや独りよがりで目の前の一人に向き合うのではなく、深く相手を知ることの大切さに改めて気づかせてもらいました。

Kちゃん、ありがとう☆

太平洋

バスティン・ピアノベーシックス《テクニック1》に出てくる「太平洋の波」という曲のレッスンです。

「太平洋」を知らなかったSちゃん(小学3年・女の子)に、ヒントを出しながら、巨大世界地図から「太平洋」を探してもらいました!

見事発見!

日本とアメリカ大陸の間の海なんだね♪

あきになりました。

小学3年生のHちゃんが、一緒にレッスンへ通ってくれているお姉ちゃんのレッスンが終わるまでの待ち時間に、画像(クリックで拡大可)のお話と絵を書いて、私にプレゼントしてくれました。
なかなか良く書けているので、皆様にもご紹介させていただきます。


ちなみに、題材はレッスンのご褒美シールで、課題が一つ合格するごとに一枚貰えることになっています。

貰った、野菜とハロウィンのシールから、秋と10月。10月のイベントを八百屋さんを舞台に展開し、「ついでにレタスをくれました。」という落ちまでついていて見事だなぁ。と感心したのと同時に、とても愉快な気持ちになり大笑いしてしまいました。

国語の専門家ではありませんが、起承転結ができているので、普段から本を良く読んでいるのかな?国語が好きなのかな??曲によっては、曲に歌詞やお話をつけさせてみたらさらに表現の幅が広がるかも!?などと想像を廻らせながらこの記事を書いております。
レッスンのヒントはどこに潜んでいるかわかりません(笑)
※この生徒さんは、楽曲を“きっちりと”弾くことが得意です。

ママが・・・

今日のレッスンで、クレッシェンド(だんだんつよく)を習った小2の男の子Sくん。クレッシェンドの意味と効果を体験して貰うために、一通り説明した後、音に出して弾く前に、自分の名前をクレッシェンドしながら声に出して貰いました。

クレッシェンドのイメージがつかめたSくんが発した一言は!!

「ママがぼくをおこるときみたい!!」「あっ、おばあちゃんも!!」とその様子を真似してくれました!

極めて納得!その後ピアノで上の楽譜の一段目を弾くとはじめから上手にクレッシェンドしながら弾けました♪

身近な体験と音楽表現をすり合わせていくと、子どもの理解は速いのだと改めて実感しました。

ブラボーSくん♪

《ぶんぶんぶん》

まだ大譜表を読むことができなくても、「知っている曲」が弾きたい!!
生徒さんと親御さんのリクエストにお答えして、早速『みんな知ってる!プレリーディング曲集』を用意しました。

そのいきさつは…。

先週のレッスンで、大譜表を読むことに集中できなく、その後、メインテキストにもなかなか興味が向かなかったKくん(年長)。
レッスン終了後に、レッスンに付き添われていたお父様からご提案を頂きました。
「発表会では、Kも知っている曲を弾いたので、練習も楽しくできていたようです。普段のレッスンでも、一月に一曲くらいの長期スパンで知っている曲も取り入れてもらえないでしょうか。」
すかさずKくんも、《ぶんぶんぶん》が弾きたいとリクエスト!
私はハッとしました!
そしてお父様のご提案に全面的に賛同いたしました。
発表会が終わったばかりなので、読譜力をつけることや、メインテキストを進めることばかりに気を取られてしまっていたのです。
指導者の価値観と、生徒さんの価値観の擦り合わせの必要性に改めて気づかされる出来事でした。
こういったご意見を大切に、指導者としての立場からの価値と、生徒さん側の価値とニーズに柔軟に対応し、一人ひとりの生徒さんに寄り添ったより良いレッスンをできるように精進して参ります。

大人だって嬉しいですよね♪

7月2日(日)の発表会まで一月を切り、本番に向けたレッスンも大詰めを迎えつつあります。

発表会では、連弾に賛助出演してくださるお母様が数人おります。

先週その中の一組のレッスンがありました。お母様は幼少の頃ピアノの経験をお持ちで、数十年ぶりのレッスンに緊張のご様子。曲は一通り弾けていましたが、その演奏には納得のいかないようでした。私は、「具体的に演奏のどこがうまく行かず納得出来ないのか」をお聞きし、その答えに対する奏法をお伝えしました。その日は、お伝えした奏法がなんとかできた時点で時間切れ。

そして昨日は二回目のレッスンでした。曲を弾き終えたお母様の快心の笑顔と「できましたねー!」の一言がとても印象的でした!!先週上手くできなかった奏法をすっかりご自分のものにされていました。

お仕事をされていて、忙しい日常生活の中で練習されていることを思うと頭の下がる思いです。

本番当日に向けて、更に素敵な演奏に仕上がるように応援させていただきます!

あのぉ・・・すごいじゃん!!

あのぉ・・・                       それはレッスンの度に言い続けてきたんですけど(笑)

この書き出しでは、何のことを言っているのかさっぱり分かりませんよね(^_^;)

冒頭の言葉は、7月2日(日)の発表会に向けて、ある曲をレッスンしているYちゃん(小2・女の子)の昨日のレッスンでの私の発言です。

Yちゃんが練習している曲には、八分音符が8つ続く少々弾きにくい音型が出てきます。Yちゃんはこの音型を弾くことが苦手で、音がそれまでよりも弱々しくなり、リズムも崩れとても弾きにくそうにしています。私はどうすれば弾きやすくなるかここ一月半ほどずっと同じ事を言い続けて、実際にその方法も実演してきましたが(手首を高くして等)、なかなか良くなりません・・・。

それがなんと、昨日のレッスン中に音が弱々しくなることも、リズムが崩れることもなく弾けるようになったのです!!

どういう事が起きたかと言いますと、

いつものように例の音型のレッスン中、突然Yちゃん本人が弾きやすい手首の使い方に気づいたのです!

そしてYちゃんは、私に「ここの部分を弾いて見せて」と言います。                           それを見たYちゃん、「先生も同じ弾き方をしてる!!」と大感激(笑)

あのぉ・・・、この弾き方は今までもずーっと教え続けてきたんですけど。

自ら気づいたことてすごいですよね!100回(大袈裟に)言ってもできなかったことが、一瞬で出来るようになってしまうんですから。

Yちゃん、ブラボー!!

春の○○りんごキャンペーン♪実施中

問題です!(笑)

本日のブログタイトル「○○りんご」の○○に入る言葉はなんでしょ~う!?

ヒントは、白雪姫!

皆さんもうおわかりですね。そう「どく」の二文字が入ります!

えー、新年度早々「どく」とは「なんとまぁ・・・穏やかでない!」とお感じになる方もいらっしゃると思いますが、この「春のどくりんごキャンペーン♪」ちゃんとレッスンに関係あるのです。                           何と関連させているかというと「休符」です。楽譜の中には、音部記号や調号、拍子記号。そして音符などたくさんの記号が出てきます。                         そういった記号の中でも、「休符」をきちんと「休符」として理解し、扱えている生徒さんが意外と少ないと感じ、先ずは休符に興味を持って貰おうと始めたのが「春のどくりんごキャンペーン♪」です。

キャンペーンの内容はいたって簡単。            曲中に出てきた「休符」に気がついていなかったり、正しく処理できていなかった場合に、「はーい、春のどくりんごキャンペーン実施中でーす!!(笑)」と街頭でポケットティッシュを配る要領で「どくりんごカード」を手渡します。(4分の4拍子の場合、四分休符一つは、一拍分の休みになるので、できていなかった場合はカード一枚)そして、生徒さんの楽譜には、「どくりんご」を書き込みます。すると生徒さんの注意は「休符」に向き、意識して休符を処理できるようになるのです!

幼児、小学低学年の生徒さんには、「白雪姫はどくりんごを食べて倒れちゃうんだよ。そうして王子様が助けてくれるんだけど、先生の知り合いに王子様がいないから食べないように自分で気をつけてね!」とお話ししています。

新年度がスタートし、これからも伊藤ピアノレッスンスタジオでは、生徒さんが楽しく・生き生きとピアノに取り組めるレッスンを展開してまいります。

曲のタイトルを表現に結び付ける

ブルクミュラー『25の練習曲』Op.100のレッスンでの一コマ。

第22曲『バルカロール』

DCIM1277

曲にも慣れてきて、フレーズ感も明確になってきたRちゃん。今回は、左手の和音それぞれの響きを生かしてメロディーとの関わりを結びつけるレッスン。

さて、和音の響きも感じられるようになったところで仕上げ。

イタリアのベニスの場所を世界地図で調べ、イメージ写真を目の前に演奏。

DCIM1276

お~!!集中力が高まり穏やかなゴンドラの揺れ、ゴンドラ漕ぎの歌が感じられる素敵な演奏になりました☆

イメージを音にする感覚は一人ひとり違う部分もありますが、何かを一生懸命表現している音は必ず聴き手に伝わります。

「人に伝わる音」を大切にレッスンしていきたいと思います。