Category Archives: 学びひたる

拍の王様!?

~横浜市鶴見区江ケ崎町の伊藤ピアノレッスンスタジオのブログです~

2022年度のレッスンが始まり約一カ月。私も生徒さんたちと共に成長していくために日々指導法と奏法研究を行っております。

さて、今年度のレッスンで一番こだわって指導している内容の一つが「拍感」と「リズムの持つ抑揚」の関係です。

ご存じかもしれませんが、4分の4拍子の場合は、

1拍目が強拍、2拍目は弱拍、3拍目は中強拍、4拍目は弱拍と呼ばれています。しかし知識としては知っていても演奏に反映しなければなんとももったいないのです。

導入初期の生徒さんには拍感を身に付けるために、身体を使って拍子打ちを。

少しずつ慣れてきたころに、拍子打ちをしながらリズム唱える。

さらに拍子を数えながらリズム弾き。

と徐々に内容を変化させながら「拍子」と「リズム」のレッスンを進めています。

しかし、「リズム弾き」ができるようになっても「拍感」と共に実際の演奏に生かされなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。

演奏に生かし切れていない場合には、説明に使う言葉や方法を一人ひとりの生徒さんの理解度に合わせて使い分け、曲の表現に必要なと「拍感」と「リズムの抑揚」を擦り合わせていきます。

例えば、一拍目は拍の「王様」だから存在感があるように強めに!しかし音楽には一般的な音楽の約束から外れた例外もあるので、その場合は「この王様は存在感がある大様ではなく、陰でひっそり見守る優しい王様」など言葉や手本でしつこく説明していきます。もちろんすぐに直せる場合もあればそうでない場合もあります。すぐに直せない場合は深追いせずに。

それでも大丈夫です。数多くの楽曲を弾いていく中で必ず理解と指が追いつきできるようになるタイミングがあるのです。

レッスンでは、リズムの抑揚のポイントとなる「王様」以上に重要な○○○の役割についても説明と実践を重ねていきます。

さて、色々と書いてきましたが、「拍感」と「リズムの持つ抑揚」については、私淑しているピアノストの今井 顕先生から多大な影響を受けております。

今後も、「楽しく!正しく!」をモットーに、十人十色の生徒さん一人ひとりの人格と個性を大切に。基礎の定着を重視し、優しく丁寧に、時には厳しく指導し、楽(らく)ではないけど楽しく上達するレッスンを目指し日々ベストを尽くして参ります!

積み重ねる

横浜市鶴見区江ケ崎町の伊藤ピアノレッスンスタジオのブログです。

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2021年が新しい年が始まりましたね!皆様はどのような冬休み・お正月休みをお過ごしでしたか。

伊藤ピアノレッスンスタジオでは、2020年12月28・29日で、ピアノのハンマーの調整など音色を良くし、操作性を向上するための保守点検(メンテナンス)を丸二日間かけて行いました。

私個人としては、1月2・3日と箱根駅伝をテレビにて観戦し、選手の皆さんの走り、監督の話、実況アナウンサーの言葉などから様々な刺激と学びを得ました。

駅伝とピアノでは、競技と演奏で一概に比べることはできませんが、本番に向けて最高の結果、仕上がりを目指していく過程は本質的に変わらない部分がありそうです。

それは、当たり前と言ってしまえばそれまでなのですが・・・

「準備に準備を重ね、練習に練習を積む。その結果に偶然はない」ということです。

結局、策やテクニックだけではなく、チームとして、個人としてどれだけ泥臭い地道な準備と練習を重ねてきたかが結果を左右したのだと思います。

「結果に偶然はない!」常に肝に銘じながらピアノの練習をはじめ、物事に取り組んでいく決意です。

原点!?

本日、カワイ横浜店さんで行われた、バスティンメソッドの新刊『オールインワン・プリマーA』の指導法講座を受講して参りました。講師はバスティンメソッドで素晴らしい指導を展開されている、池川礼子先生。

導入期に欠かせない要素、「遊び=学び」「指づくり」「必要な感を育てる」「2ど 3ど」「分析」について『オールインワンプリマーA』のページを追いながら確認してまいりました。

私が駆け出しのピアノ指導者の頃、初めて受講したバスティンメソッドの指導法講座が、池川先生によるものでした。今日は原点に戻った懐かしい気持ちで受講し、導入期で押さえておくべき要素が再確認できました。

現在は『オールインワン』は使用しておりませんが、『パーティーシリーズ』『ベーシックスシリーズ』にも取り入れられる指導法ばかりでしたので、明日からのレッスンにこの学びを生かし、生徒さん一人ひとりに最良のレッスンを提供できるよう努めて参ります。

 

○○らしさ、○○らしく

自分らしさ、自分らしく。○○さんらしさ、○○さんらしく。○○くんらしさ、○○くんらしく。等。今日のブログのタイトル「○○らしさ、○○らしく」の○○に当てはまる言葉は数多ありますね。

ピアノのレッスン時にも「○○らしさ、○○らしく」の言葉を使うことがあります。

例えば、ワルツを弾いた生徒さんに対して、「ワルツらしく」弾けています!「ワルツらしく」弾きましょう!等です。それまでにワルツを聴いたこと、弾いたこと、見たこと。或は実際に踊ったことがある場合にはピンとくる可能性が高いですよね。一方でそういった経験が全くないと??となってしまのではないでしょうか。

私の教室では、中高生になると名曲、例えばショパン《子犬のワルツ》《ノクターン第二番》、バッハ《インベンションとシンフォニア》《イタリア協奏曲》モーツァルト《トルコ行進曲》ベートーヴェン《ピアノソナタ悲愴》などを弾く生徒さんが多くいます。

こういった名曲を弾く際、もちろん名曲と言われていない数多の素晴らしい作品を弾くときににも大切にしたいのが、「○○らしさ、○○らしく」なのです。

《子犬のワルツ》を弾くときに大切にしたいのは「ワルツらしさ」左手の伴奏形が「ワルツらしさ」を出すために重要になります。《ノクターン第二番》の場合なら「ショパンらしく」も重要な要素になります。ショパンは、歌唱法の一つ「ベルカント唱法」(イタリア語。美しい歌、美しい歌唱の意)を大変好んでいました。彼のピアノ作品の多くにこの「ベルカント唱法」からの影響を見ることができます。これをわかっていると「ショパンらしく」演奏することに近づくのです。さらに左手の伴奏で使われている和声や音型も「ショパンらしさ」の一つです。

以上のことは、名曲を弾くようになるまでに、導入期の教本や、ブルクミュラー《25の練習曲集》《ソナチネアルバム》その他で折に触れて学んでいきます。

年齢や学習段階に応じて、マンガ版の作曲家の伝記を読んでみたり、CDでワルツのCDを聴いてみる、YouTubeでワルツを踊っているのを見てみるなど。自ら興味を持って知識面の学習も補いながら、自分の弾いている曲を「美しい音で間違えずに自分らしく弾く」だけではなく、曲の特徴やスタイル、作曲家の生涯や歴史的背景にまで興味を持ち、良い意味での「○○らしさ、○○らしく」を追求できるように成長してくれると嬉しいですね。

ちなみに、私は今、「バッハらしさ」を求めて、バッハの作品を練習する際に「修辞学」の考え方を踏まえて練習することに取り組んでいます。バッハが活躍していた時代には「修辞学」という学問があり、音楽とも関係が深かったようです。

 

謹賀新年

本年もチャレンジ曲(大曲)を決めました!!

ショパン《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ》変ホ長調Op22

昨年末に購入したCD、スイスのピアニスト、カール・アンドレアス・コリーさんのショパン《ポロネーズ全集》の見事な演奏に触発を受け本日から練習を開始しました。

目標としては半年かけて仕上げ、7月からは新たな大曲に取り組みたいです。

自らの研鑽を怠らず、その成果を生徒さん一人ひとりに還元させて頂きたいと思います。

本年も、何卒宜しくお願いいたします。

 

sale(セール)

sale(セール)!!この文字に誘われて、クラシックのCDを11枚、まとめ買いしてしまいました!
saleの頭に「怒濤の…」などとついていて、本当にお買い得感がありどれも欲しくなってしまいましたが…。
全て購入するわけにもいかず、今回は、以前から気になっている日本人ピアニストに限定して、11枚を選んでみました。(画像では、1枚貸し出し中で10枚です。)

演奏会に足を運んで聴くのがベストですが、CDで聴いてもそれぞれのピアニストの音楽性や個性、解釈が聴き取れ大きな刺激を受けております。

「聴く力(鑑賞力)」は、良い音楽を聴いて、素晴らしさを感じとる力のことです。弾くことだけで終ってしまいがちな日々の練習ですが、良い音楽をCDなどで聴くことも是非取り入れて頂きたいと思います。
良い音楽を耳にしなければ、「どこが素敵か」「何が美しいか」「何が感動」なのかは本当にはわかりません。「聴く力(鑑賞力)」がつけば自ずと感性も磨かれて音楽性も育まれていきます。
また、様々な楽曲を耳にすることで、数多の曲を知ることや、弾いてみたい曲が増えたりと相乗効果もあります。同じ曲を複数のピアニストで聴き比べることもオススメです。

立冬を向かえ、秋から本格的な冬へと移り行くこの季節。
ご家族でクラシックCDの鑑賞会などしてみてはいかがでしょうか!?

余談ですが、私はクラシックのCDを500枚以上所有しております。

《ぶんぶんぶん》

まだ大譜表を読むことができなくても、「知っている曲」が弾きたい!!
生徒さんと親御さんのリクエストにお答えして、早速『みんな知ってる!プレリーディング曲集』を用意しました。

そのいきさつは…。

先週のレッスンで、大譜表を読むことに集中できなく、その後、メインテキストにもなかなか興味が向かなかったKくん(年長)。
レッスン終了後に、レッスンに付き添われていたお父様からご提案を頂きました。
「発表会では、Kも知っている曲を弾いたので、練習も楽しくできていたようです。普段のレッスンでも、一月に一曲くらいの長期スパンで知っている曲も取り入れてもらえないでしょうか。」
すかさずKくんも、《ぶんぶんぶん》が弾きたいとリクエスト!
私はハッとしました!
そしてお父様のご提案に全面的に賛同いたしました。
発表会が終わったばかりなので、読譜力をつけることや、メインテキストを進めることばかりに気を取られてしまっていたのです。
指導者の価値観と、生徒さんの価値観の擦り合わせの必要性に改めて気づかされる出来事でした。
こういったご意見を大切に、指導者としての立場からの価値と、生徒さん側の価値とニーズに柔軟に対応し、一人ひとりの生徒さんに寄り添ったより良いレッスンをできるように精進して参ります。

目からウロコ

本日午前中、ヤマハ横浜店さんで行われた、馬場マサヨ先生のピアノ指導法講座を受講して参りました。
馬場先生は名古屋の金城学院大学で教授を務められているて方で、導入期の小さな人からピアノ指導者まで幅広くプロフェッショナルで素晴らしいご指導をされています。
その先生のご著書《目からウロコのピアノ指導法》講座3回シリーズの最終回が本日の講座で、第3章の不自然なフォームの直し方(子供に届く言葉で伝える)でした。

本題に入る前に、これまでの2回の講座のおさらいと、補足のお話があり、導入期の生徒さんに読譜力をつけるために馬場先生が使用されているテキストを具体的に教えていただき、進め方を教えてくださいました。

更に、聴く力を伸ばすためのアイテム《抱っこスピーカー》の紹介をしてくださいました。
ショパンの《ノクターン》や、シューベルトの《即興曲》を弾くようになった段階では練習時間の3分の1は質の高い音楽を聴くことによって、感受性や音楽性が決まってくるというお話にすこぶる共感。

本題の不自然なフォームの直し方では、「演奏する姿勢が悪い」「肩が上がる」「指の形が良くない」場合の直し方を、欧米人の動作やピアノ奏法と、日本人のそれとの違いを比較し具体例を示されながら、まさに《目からウロコ》の指導法をご教示くださいまさた。

ちなみに私自身、大人の生徒さんと、自らのピアノ奏法に悩んでいた時に先生のご著書に出会い、本の中で書かれている奏法を取り入れたところピアニストの友人に「弾きか方変えた?音がすんごく良くなってる!」と言ってもらえる程の結果が出ました。
馬場先生に直接指導を受けたわけではありませんが、今日の講座で先生ご自身の奏法を目の当たりにし、私自身が取り入れた先生の奏法の方向性が合っている事を確信いたしました。
講座終了後、ご著書にサインをいてだき、前述のエピソードをお話させて頂いたところ「いくつからでもピアノは上手くなります」との励ましのお言葉をいただきました。

3回の講座を通じて馬場マサヨ先生の大ファンになりました(笑)
私の生徒さん方にも馬場先生のレッスン法、ピアノ奏法を取り入れお伝えして行きたいと思います。

先生だって・・・

週6日。一日約三時間練習しています!!

えっ!?一週間は7日あるって??

はい。ここだけの話、日曜日は練習もお休みしています(笑)

生徒さんたちに練習の重要性を説いている手前、私自身も日々演奏法の研鑽、曲の研究に取り組んでおります。

画像は約5年分の練習記録

DCIM1558 (1)

『楽譜の向こう側』

新年度が始まり、入園・入学・進級・進学等で新たな一歩を踏み出した生徒さんたち。私も負けずに向学の意欲を燃やしております(笑)

本日午前中は、応用楽典『楽譜の向こう側』の著者、西尾洋(にしお よう)先生の講座を受講して参りました。

西尾先生は作曲が専門ですので、その立場から楽譜に書かれている音符や記号から「何をどのように」読み取り音楽表現へと繋げていくか。そのポイントを御著書をテキストにしてわかりやすく解説してくださいました。

例えば・・

作曲家は(フォルテ、強く)が書きたくて楽譜に書いたのではなく、「フォルテで何かを表現したくてフォルテと書いていること」その何かを読み解く事がとても重要で、それこそが楽譜から音楽表現をする際に重要な事であること。そのためには、作曲家のこと。作曲当時の時代背景や文化を知っていること。ソルフェージュ能力等総合的な知識や経験を積むことの重要性を改めて思い知らされた二時間でした。明日からの自身の練習やレッスンに還元していけるように努力いたします。