「衝動としての意志」

ピアノを習い始めたばかりの幼児のお子さんをお持ちのお母様から「家で自分から練習をしないんです・・・」と度々ご相談を受けます。

お家での練習の目的は勿論「ピアノを上手に弾き、音楽を表現する」「ピアノを弾くことが好きで、楽しくなる」こと。習い始めたばかりのお子さんの場合は、それと同時に、練習をする「習慣を身につける」こと。が加わります。

習い始めたばかりのお子さんは「自分から練習」をするということ、「何を、どのように」練習すればよいのか何も分かりません。ただ「練習しなさい」と言っただけでは分からないのです。

そこで、「何を、どのように」を身につけるために、お子さんの「興味を引き、衝動としての意志」を芽生えさせ「練習習慣」に繋げていきます。

具体的には!?

簡単です。お母様が「練習しなさい」言う代わりに、お子さんの目の前で「レッスンの宿題を先に始める」のです。例えば、「メリーさんのひつじ」をお母さんが弾き始めます。(そんなに上手でなくてもいいのです!)きっとお子さんは、側に寄ってきて弾きたがるでしょう。この繰り返しをすることで「練習は自からやるもの」ということを知ることができるのです。

*お母様が練習を始める時間を決めておき、「O時になったから練習しよ~」とさりげなく声を出してみるのも良いかも知れません。

「幼児期が最も関心を持つもの、それは人間です。私たち大人です」「幼児まず身近な大人の真似をすることを通して、周囲の社会との関わりをもちはじめます」「大人の動作を真似すること、模倣すること、これは幼児の本性です」(広瀬牧子『我が家のシュタイナー教育』共同通信社より)

この「真似をしたがる」という「衝動」を練習習慣の習得に応用してみては如何でしょうか。

DCIM1391