第一関節の意識に○○さん、、、!?

横浜市鶴見区江ケ崎町の伊藤ピアノレッスンスタジオのブログです。

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レッスンをしていると、良く練習できているのに生徒さんの音に「音の芯」がなく物足りなさを感じることがあります。

そんなときに手元に注目してみると、たいていの場合手の形が崩れていたり、指関節がしっかりしていなかったりすることがあります。

生徒さんは曲を弾くことに一生懸命で、自分がどのように手指や腕をコントロールして、どのような音を出しているのか客観的に判断できていない場合もありますし、もともと指関節が弱く意識しても第一関節をしっかりさせることが難しいケースもあります。

 

指は第三関節(指の付け根)を良い形にして動かすのが基本ですが、弾くときに鍵盤に一番近い関節が第一関節になります。

人は生まれてから身体が発育・発達していく過程は、頭部から尾部へ、中心から抹消へ、粗大運動から微細運動へと進んでいきます。

ピアノを弾くのに必要な運動を大まかに当てはめると、肩から上腕⇒上腕から前腕⇒前腕から手首⇒手首から指(第三関節⇒第二関節⇒第一関節)⇒指先(鍵盤との接点)になるかと思います。

ですので、発育・発達過程から見てピアノを弾くことに置き換えると第一関節は一番意識が難しく、個人差は大きいですが「しっかりとさせるまでに時間がかかる」のだと思います。

だからといって、ふにゃふにゃの第一関節を見て見ぬふりはできないので、レッスンでは事あるごとに声掛けや、トレーニングを行っています。

その一つが、付箋に顔や棒人間を書いた通称「オジさん」で、第一関節の状態を視覚化し意識することを目的に登場します。

効果は一時的の場合もありますが、一度付箋を貼って練習した生徒さんは、付箋を貼らなくても「オジさんずっこけてるよ」の一言で第一関節を意識するように変っていきます。

余談ですが、世界的ピアニストの、マルタ・アルゲリッチさんは、「音を作るために一番大切なのは最終的には第一関節」と言われているようです。